ミスト

スティーブン・スピルバーグ原作の作品。これは…有り得ないようなエンディング。それは(ハリウッド映画なら。多分)やっちゃダメだろうという禁じ手。

霧の中にいる何かとの攻防よりも、偶然一緒に居合わせた人間同士の恐怖および群集心理がメイン。平穏なときには変人扱いされている女(もちろん脇役)が、非常事態に神として崇められる。人の心を支配するには恐怖が一番効果的である。変人女が揺れない(ブレナイ)強いパワー(何度も同じコトを繰り返すのもその1つ)を持っているのは自分自身心から信じているからで、皆を騙そうという気持ちは毛頭無い。が、罪のない軍人を血祭りにあげたあたりでヘンなスイッチが入り、死亡フラグが立ってしまった。惜しい人を亡くした(大嘘)。主人公は何とか魑魅魍魎(一緒に居合わせた人間達)の巣窟から脱出したものの、行く当てがない。霧の中にいる何かと戦うには余りにも無力である。絶望の中で妥当と言えば妥当と言えそうな選択をし、最善を尽くしたよね…と思ったのも束の間、唯一生き延びた(けれど何かに殺される予定だった)主人公に訪れる大どんでん返し。あぁ最悪。

尻切れトンボでもハッピーエンドでも「なぁ〜んだ」と思って忘れてしまうだろうが、このエンディングのせいで忘れられない一本に決定。もう見たくないけれど(お腹が一杯)。