命の終わり

思いがけず死の瞬間に立ち会ってしまった。
年末年始を自宅で過ごしたが、日常生活を送る体力がなくなったので、入院を希望した「その人」は、病棟へ案内されるのを待って点滴している間に息絶えてしまった。慌ただしく担当医が呼ばれ、付き添いをしていた家族が口々にその人の名前を呼んだが、その目が二度と開かれることはなかった。

生きている不思議、死んでゆく不思議。貴女と貴女の大切な人が生きていることに、心からお慶び申し上げます。