悪の教典

万障繰り合わせて鑑賞完了。

吹越満氏の方が余程それっぽいのだが、正義の味方が一転して悪の権化になる方が恐怖倍増。「教師が生徒を相手に平然と銃を撃つ」というだけの話と捉えれば「きらいです」の一言で終わるだろう。だが私は、銃で撃つという所作を裏切るという行為に重ねて見ていた。
そもそも警戒していた相手であれば違う話だが、信じていた相手に撃たれた故、後味が悪いのであろう。騙すと裏切るという言葉が微妙に違うように思うのはなぜだろう。最初から裏切っていれば「騙す」、途中から寝返れば「裏切る」ということか、とふと。

信じていた相手に裏切られたときの衝撃は銃弾を撃ち込まれることに等しいと思えば、すでに満身創痍のわたくしである。撃たれる前に撃つか。撃たれたら撃ち返すか。そんなことを思いながら、蓮見んのサイコパスっぷりに心酔していた。映画ってものは大人のお仕事なんだからね。イイ仕事と悪い仕事の見分けもつかない小娘は一昨日お出で。